まささん、映画「未知との遭遇」を語る

1970年代アメリカ映画
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1970年代のアメリカ映画の思い出㉒(私の映画体験㉙)

未知との遭遇

 今回は、1977年制作のスティーブン・スピルバーグ監督、脚本の「未知との遭遇」です。スピルバーグ監督、弱冠30歳の時の作品です。今まで宇宙人の出てくる映画の多くは、宇宙人が地球に攻めてくるというものでしたが、この映画は彼らを友好的な存在としてとらえた画期的な映画となりました。これ以降、「E.T.」,「インディ・ジョーンズ」、「ジュラシックパーク」と続くスピルバーグ監督の快進撃が始まります。

 あらすじは、アメリカのインディアナ州で、原因不明の大停電が起き、現場へ向かう電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)は、途中、強烈な光を発するUFOを目撃します。そして脳裏に焼き付けられた。” 山 ”の幻想に取り憑かれます。同じUFOを目撃したジュリアン(メリンダ・ディロン)も” 山 ”に取り憑かれますが、息子のハリー(ケイリー・ガフィ)がUFOにさらわれます。また、各地で奇妙な事件が相次ぐ中、その謎を解き明かそうとしていた科学者たちは、ようやく宇宙人からのメッセージを解読します。ロイとジリアンも幻想の山がデヴィルズ・タワーであることに気が付きます。二人は真実を知ろうとそれぞれデヴィル・タワーに向かいます。二人は山麓の基地に潜入しますが、そこに巨大な宇宙船が現れ・・・・・さあ、どうなるんでしょうか。

 キリスト教の世界で17世紀にジョン・バニヤンという人が書いた「天路歴程」(岩波文庫)があります。この本はある若者が、教えに目覚め、福音伝道者(エヴァンジュリスト)の導きによって、天国に召されていく物語なんですが、この話が「未知との遭遇」のストーリとよく似ていると評判になりました。面白い本ですよ。興味があったら読んでみてください。東洋にもよく似た話、禅宗に「十牛図」というのがあります。これも教えに目覚めた若者が、先達の導きによって悟りを開くという物語ですが、「天路歴程」では福音伝道者はあくまでガイドであり、天国に行くのは若者本人で、一方向的な未来志向であるのに対して、「十牛図」では若者は自ら悟りを開いた後、自らも先達として跡に続く者に訓導を行う、輪廻のように円環的ものになっている。それぞれの宗教の持っている世界観の対比が面白いですね。

 それはさておき、この映画の特撮指揮をしたのが、あの「2001年宇宙の旅」で特撮を担当したダグラス・トランブルで、美術監督は「ジョーズ」のジョー・アルヴス。宇宙船のシーンなど素晴らしい映像を私たちに見せてくれます。この映画は、世界中で大ヒット。2億7,000万ドルもの興行収入を記録しました。

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