日本におけるフォークソング
前回、アメリカ合衆国のフォークソングの状況をちょとお話ししましたので、ついでに日本のフォークソングの思い出もお話ししたいと思います。
アメリカ合衆国でフォークソングがブームを起こしている時、ご多分に漏れず、日本でもそれらをカバーする人たちが出てきます。マイク真木、森山良子やブロードサイドフォーなどの4~5人組のバンド(アメリカ合衆国のバンド、ブラザース・フォアの影響だと思うのですが。)が日本語でカバーします。いわゆるカレッジフォークと言われているものです。そのうち自身のオリジナルを歌いだしますが、テーマは愛だの恋だの青春とはなんだのなど私にとっては、甘ったるい曲が多くてあまり好きではありませんでした。私が小学校高学年から中学生の頃です。
関西フォークと私
そんなことを中学校の同級生に話しているとその同級生が、「面白いもんを聞かせたる。」と言うので彼の家に興味津々行ってみると、そこで聞かされたのがURCレーベルのレコード。高田渡、岡林信康や五つの赤い風船のレコードでした。URCレーベルとは「アンダーグラウンド・レコード・クラブ」の略で、会員制でレコードを配布している会社です。友達のお兄さんがその会員で、URCのレコードをたくさん持っているのです。
まず岡林信康のアルバム「わたしを断罪せよ」や「見るまえに跳べ」を聞いて強い衝撃を受けました。
”おまわりさんに捧げる歌”や”性と文化の革命”なんかは、純粋な中学生にとっては、刺激が強すぎて頭がクラクラします。
”チューリップのアップリケ”や”手紙”なんかのようなバラードの名曲もあります。実際、いっぺんにやられてしまって、一般に販売されるとすぐに買いに行って、もう夢中になって聞きまくりました。
五つの赤い風船もいいですね。
”まるで洪水のように”や”血まみれの鳩”をはじめとしていい曲が多く、”遠い世界に”なんて有名ですね。
岡林信康の強いメッツセージ性と五つの赤い風船の独特の世界観に完全にノックダウンで、とにかく岡林信康と五つの赤い風船のアルバムは、出るたびに順番に買って、中学、高校時代は、毎晩子守唄のように交代ごうたいに聞いていました。その社会に対するプロテスト、平和に対する熱い思いは、学生紛争はなやかりしその時代だからでしょうか、私には強く訴えるものがありました。
この時代相というか時代の空気を感じるのになぎら健壱著「関西フォークがやってきた!(五つの赤い風船の時代)」(ちくま文庫)という面白い本があります。五つの赤い風船のリーダー西岡たかしを主人公に当時の音楽状況、時代状況を見事に活写しています。興味のある方はどうぞ。
ここまで書いたので、ついでに次は岡林信康について書きたいと思います。呆れずにお付き合い下さい。すいませんね。
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