昔、関西にプロ野球球団、南海、阪急、近鉄があった③

コラム
スポンサーリンク

近鉄バッファローズの巻

 近鉄という名前には、私の家の近くに百貨店があり、買い物をしたり、雨が降れば店内で鬼ごっこをしたりして親しみがありました。でも近鉄バッファローズは、越境入学のあった私の卒業した小学校に通ってた松原や藤井寺の生徒以外には、あまりファンはいませんでした。なんせ弱かった。
 あまり弱くて、上位に浮上しないので「地下鉄バッファローズ」なんて呼ばれてたりしていました。失礼な話ですよね。元々は近鉄パールズ(御木本幸吉の真珠のパールです。)でしたが、元巨人の千葉茂が監督になった時、千葉のニックネームだった「猛牛」をとってバッファローズにしたと言われています。これホントの話です。
 そんな弱いチームでも鈴木啓示という大投手が出てきます。通算317勝5年連続20勝以上という実績ですが、すごいですね。国鉄(現ヤクルト)・巨人の金田正一の400勝もすごいですが、金田なんか国鉄のチームとしての年間勝利数が40何勝の時に、一人で30何勝していたなんて信じられます⁉。今では考えられないですね。

 そんな弱い近鉄バッファローズも西本幸雄が監督になると強くなります。鈴木や太田幸司の投手陣に佐々木恭介らの打撃陣で2度のリーグ優勝をはたします。このチームで忘れられないのが、対広島戦の日本シリーズ最終戦で演じられた伝説の「江夏の21球」です。山際淳司のスポーツエッセイ「スローカーブを、もう一度」(角川文庫)におさめられてる「江夏の21球」は絶体絶命のピンチをいかに江夏がのり切ったかを白熱の描写でもって私たちに教えてくれます。江夏豊についてもっと知りたい人には川上健一の「サウスポー魂」(講談社文庫)も面白いですよ。西本監督はあれだけ、阪急、近鉄でリーグ優勝をしながらとうとう日本一にはなれませんでした。正に悲運の名将ですね。

 その後、しばらく低迷が続きますが、仰木監督を迎えてまた強くなります。阿波野投手や打撃陣では中村紀洋を中心とした「いてまえ打線」が大爆発します。このチームもいくつかの伝説があります。1998年の優勝のかかった対ロッテ戦ダブルヘッダー7時間33分の死闘や北川選手の代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン。両方ともテレビの実況中継を見てましたが、本当に息をもつかせぬ好ゲームでした。
 それにしても、西本監督や仰木監督には、関西のプロ野球ファンは何か特別な賞を贈らなければいけませんね。こんなに関西の野球ファンをわくわくさせてくれたんですから。

 でも、そんな賞を貰っても天国の上で、二人とも恥ずかしそうに笑っているだけかもしれませんね。本当にありがとうございました。

コラム
スポンサーリンク
まささんの天王寺通信

コメント

タイトルとURLをコピーしました