LGBT法案成立を受けて

コラム
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LGBT理解促進法

 いわゆるⅬGBT法案が先月国会で承認されました。突っ込みどころ満載の法案ですが、私の意見を言う前に、新聞紙上に載っていたある人のコメントをまずご紹介したいと思います。その人はゲイであることを公表し、性的少数者に関する情報を発信する「fair」代表の松岡宗嗣さんです。少し長いですが引用させていただきます。

「本来は差別を禁止する法律が必要だが、それでも何もないよりあった方がいいのではないかとこの間の法案をめぐる議論を見た。最後の最後に、法案の趣旨とは真逆の、むしろ理解を制限、阻害するするような現状に強い怒りを覚えます。」

 本来少数者の基本的人権を守るために発案されたものだったのに、いつの間にかすでに権利が保障されている多数者への配慮が盛り込まれているという本末転倒なものになってしまいました。自民党という政党は時々こんなペテン師の様な事をしますが、これは本当にひどい。修正された理由が「トイレや風呂で性を使い分けた犯罪につながる可能性がある。」よくまあこんなことを思いつくなあと思います。こんなことを思いつくのは、自分もそんなことをしたいと言う願望があり、それゆえにこんなことを思いついたんじゃないかと邪推してしまいます。このようなことが大きな社会問題になっていると聞いたことがないにもかかわらず。これも新聞紙上に載っていたトランスジェンダーの方の話ですが、自分が自任している性のトイレに入るか違う性のトイレにはいるかどちらにしろすごいストレスと葛藤がある。と言ってます。人として最低限度の排泄のことについてストレスを感じなければいけないなんて、私には耐えられません。トランスジェンダーの人たちに対して理解と共感を感じますし、何とかならんのかとも思います。

自民党保守派と言われている人たちへ

 性的少数者と言われている人たちには、保守的な思想・信条を持ってる人もいるでしょう。リベラルな考えの人もいる。これは思想・信条の問題ではなく、人間として根源的な人権の問題だとどうして理解してもらえないのか。不思議でしょうがない。前にも言いましたが、政治家の役割は、この国に住む人々にこの国に生まれてよかったと一人でも多くの人に思ってもらえる国を作ることではないのでれしょうか。

 かつて、平塚らいちょうが1911年に雑誌「青鞜」を創刊して、女性解放運動が始まりました。治安警察法が改正されて、女性の政治集会参加が認められたのが1922年。国際比較でジェンダーギャプが146ヶ国中125位と言われるように、女性の権利は100年余りたってもあまり変わっていないように、性的少数者の権利も時間のかかることになりそうです。しかし、自民党の保守派と言われる女性議員は、その信奉する戦前の価値観で言えば、今あなたたちは大臣は勿論議員にもなれていないということに思いが至らないのでしょうか。この百年間に多くの女性たちの努力の結果だと言うことを。時代はどんどん変化していきます。その時代その時代に生きる人々に寄り添った判断をしてほしいと思います。

 最後に朝日新聞の「折々のことば」というコーナーに載っていた言葉をご紹介したいと思います。

「その人がその人のままでいられない。・・・場所を果たして国と呼べるだろうか。」
-西加奈子-

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