まささん、映画「ロッキー」を語る

1970年代アメリカ映画
スポンサーリンク

1970年代のアメリカ映画の思い出⑳(私の映画体験㉗)

ロッキー

 今回は1976年制作のジョン・G・アヴィルドセン監督の「ロッキー」です。無名のボクサーの成功物語、夢とチャンスの国アメリカを描き、まさにアメリカンドリーム体現したこの映画はアメリカ社会に大旋風を巻き起こし、映画史にその名を刻み、1970年代を代表する映画の一つになりました。そしてまったく無名だったシルヴェスター・スタローンを一躍スターにしました。

 あらすじは、フィラデルフィアのうらぶれたアパートに暮らすロッキー(シルヴェスター・スタローン)は、ボクシングで小遣い稼ぎをする4回戦ボーイ。また、借金の取り立て屋をして、その日暮らしの生活を支えていました。夢も希望もない生活に身を沈めながらも、友人ポーリー(バート・ヤング)の妹で近くのペットショップで働くエイドリアン(タリア・シャリア)に恋をします。そんなロッキーをヘビー級のチャンピオンのアポロ(カール・ウエザース)がアメリカ建国200年祭のイベントの対戦相手に指名します。トレーナーのミッキー(バージェス・メレディス)の協力を得て、ロッキーは猛練習を始めます。アポロとの試合の前日、不安な気持ちと試合にかける熱い思いをエイドリアンに打ち明けます。「最後のゴングが鳴ってもまだ立っていられたら、俺がゴロツキじゃないってことを始めて証明できるんだ。」さあ、試合の行方は如何に。

 監督のアヴィルドセンは、ハリウッドでは「低予算映画の巨匠」と呼ばれていたらしくて、この映画を製作費110万ドル、製作日数28日で完成させたそうです。
 1973年~74年のウオーターゲート事件や1975年のベトナム戦争の敗北などの鬱積した国民感情を払拭するため、アメリカ合衆国建国200年を無理から祝おうとしていたアメリカ国民。そんな雰囲気にこの映画はドンピシャでした。アメリカでは大ヒット(日本でも大ヒットでした。)
 そして、この映画で脚本、主演とスタローンは、圧倒的な存在感を示しました。新しいスターの誕生です。スタローンはこの物語をわずか3日で書き上げたそうです。
 アメリカ映画が破滅型の青春を扱う時代から、脱しつつあることを証明する一作でもあります。スタローンはこう言っています。「ここ数年、製作者はリアリティーのある暴力映画を量産してきたが、人々が求めていたのは、感傷的な愛の世界なのである。」この映画は、アカデミー賞作品賞、監督賞、編集賞に輝きました。ビル・コンティの曲に乗って、フィラデルフィア美術館の前で、トレーニング中のロッキーが両腕を上げてるシーンは、今でも目に浮かびます。

 ロッキーは、U-NEXTの無料トライアルで全編視聴可能です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました