ミュージカル・音楽映画の歴史31(私の映画体験109)
映画「南太平洋」(South Pacific)を語る②
①の記事は、こちらです。
その名曲の数々
私はミュージカル映画を紹介するとき、「至玉の名曲ぞろい」何て表現を使いすぎていると自覚しているので、あまり使わないようにしているのですが、やっぱり今回も使ってしまいました。でも、本当に名曲ぞろいなんですから。まずは”魅惑の宵”。
この曲は世界中で大ヒットしました。実際映画の中で歌っているのは、ロッサノ・ブラッティではなくてメトロポリタン歌劇場の名歌手、ジョルジョ・トッツイ。
そして、ブラッディ・メリーが歌う”バリ・ハイ”。
これも実際映画で歌ってるのは、ミュリエル・スミスという人だそうです。(舞台では誰が歌ったんでしょうね。)
そしてケイブルとリアットのデートのシーンで流れる”ハッピー・トーク”
この曲は某ビールメイカーのテレビコマーシャルで使われていたので、お聴きになった方も多いと思います。
ネリーがエミールのことを思いながら歌う”素敵な人に恋しているの”
エミールの子供たちがお父さんに「あのね、パパ」とかわいく歌います。私はこの歌が大好きです。
そしてなんといってもミッチー・ゲイナーが海兵隊の慰問の為のステージで歌い踊るその見事なこと。まさに新しいミュージカルスターの誕生です。やはりオスカー・ハマースタイン二世とリチャード・ロジャースのゴールデンコンビは凄いとしか言いようがないのでしょうね。
画面はより大きく
この映画で採用されているのが、トッドAO方式だそうで、これは通常の2倍の幅とサウンドトラックをもつ70ミリフイルムを1台の映写機で映すことにより、従来のシネマスコープより広い画面に、鮮明な映像と迫力ある音を加えることができる技術だそうです。(私にはあまりよく分かりませんが。)大きな画面で大きな音に当時この映画を観た人は、驚いたそうです。それぞれの映画会社はテレビに対抗して苦労していたんでしょうね。多くの映画会社が、テレビと対抗する為に色々試みましたが、観客動員数は減少の一途を辿ります。
しかし、映画は生き残りました。映画万歳というところでしょうか。ともかくも舞台と違って雄大な南太平洋の景色をバックに創られたこの映画は、世界中で大ヒットを記録しました。
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