まささん、映画「チャイナ・シンドローム」を語る

1970年代アメリカ映画
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1970年代のアメリカ映画の思い出㉗(私の映画体験㉞)

チャイナ・シンドローム

 今回は1979年制作のジェームス・ブリッシス監督の「チャイナ・シンドローム]です。この映画は、アメリカ全土を震撼させた問題作として大反響をよびました。原発事故の恐ろしさ、巨大資本である電力会社の横暴。福島第一原発の事故を経験している私たち日本人にとっても見過ごすことのできない映画です。

 あらすじは、テレビのニュースキャスター、キンバリー・ウエールズ(ジェーン・フォンダー)は、フリーの報道カメラマン、リチャード・アダムス(マイケル・ダグラス)とともに原子力発電所を取材します。そこで異常が起き、大騒ぎとなった制御室の様子をリチャードは隠し撮りします。混乱は制御室長ジャック・ゴデル(ジャック・レモン)の対応で収まります。しかし、放射能事故の危機が迫っていました。キンバリーとリチャードはこのスクープを発表しようとしますが、テレビ局の上層部の圧力で中止させられます。炉心の異常を調査していたジャック・ゴデルは、放射能を含む冷却水が漏れ出ていることを発見します。良心から内部告発に立ち上がった彼は射殺されます。電力会社の圧力にもかかわらず、キンバリーとリチャードは制御室での撮っておいたゴデルの独占インタビューを放送します。さて、真相は暴かれたのでしょうか。・・・・・

 この映画の公開から二週間もたたない3月28日アメリカ、ペンシルベニア州スリーマイル島の原発で炉心の一部が溶解するという事故が発生します。大惨事はまぬがれましたが、4万人が避難する騒ぎとなりました。このためこの映画は、原発事故を予言したとして大反響をよびました。奇しくも同時進行的に起きた惨事ともに原発事の恐ろしさを私たちに知らしめました。また、ジャック・レモンが素晴らしい演技を見せます。ビリー・ワイルダー映画の彼も素敵ですが、こういったシリアスな役も素晴らしいですね。

 カリフォルニア最大の電力会社PG&Êから原発の撮影を断られるなど、様々な圧力がありましたが、「大統領の陰謀」でアカデミー賞美術監督・装置賞を受賞したジョーン・ジェンキンスが実物にも勝るセットを作るなど圧力を克服します。マイケル・ダグラスやジェーン・フォンダーをはじめとするスタッフやキャストの熱意により放射能汚染という人類最大の危機をめぐるスリルとサスペンスに満ちた見ごたえのある映画を完成させました。

 チャイナ・シンドロームは、U-NEXTの無料トライアルで全編視聴可能です。

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